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ダーン。 薫ったのは硝煙。 放たれたのは鈍色に光る物体からの弾。 まるで、射的場の景品のように命中して倒れたのは、僕。 目の前で、男が嗤ってる。 全てがスローモーション。 僕は普段なら汚れると思って気にする土の上に倒れこんだ。 「○○○、おやすみ。てめーに永遠の休息を」 耳に入ってきた低い声。それはよく耳に馴染んだもので。 「き、み、は、あ、の、こ、を……」 僕の問いとも取れない小さな呟きは虚空に消え誰にも届くことはなかった。 最後に見えたのは、あの子の笑顔。 そして。 僕を嫌いと罵ったあの苦しそうな顔。 僕は考えていた。 嗚呼、あの子は僕が死んだら哀しんでくれるだろうか。 膝をつき僕の頭を抱きながら僕を哀してくれるだろうか。 いや、それはもうないだろう。 僕の死は彼女にとって平穏をもたらすものだから。 アイツと、仲良く暮らすだろう。 全てを忘れて。 「○○○」 空耳だろうか? 彼女の声がした。 土に汚れるのを厭わずに膝をついて、僕の頬を撫で泣きそうな顔をしている。 夢だろうか? もう、僕は死んだはずだ。 これは神様が最期に魅せてくれた優しい夢なのだろう。 嗚呼。 音が遠ざかる。 僕はまだ、まだ、この夢を……。 見ていたいのに。 神様、もう少し、もう少し……。 夢を魅せて……。
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