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そして月日は流れ、私はその変な体験をしたボロアパートから引っ越した。
荷造りの際、ロフトの荷物はひとつひとつ開封したが、中に何も無かった。
残念ながら一瞬目を離した隙に逃げられてしまったので、携帯で写真を撮ることも、捕まえることも、攻撃することも、潰すことも出来なかった。
でもあれは現実だった。
なぜなら眠くなかったから。
そして、いつ記憶消去が施されても覚えていられるように、強く、強く、記憶した。
実際、今の今まで忘れていて「そういえば」程度でたまに思い出すくらいになった。
どれだけ強く記憶しても、霞んでしまう。人間の記憶なんて所詮こんなものなんです。
でも、しつこいですが、あれは絶対に現実で起こった事実です。
これだけは、覚えています。
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