私の知らない色

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もしも恋愛がお互いを想う気持ちだけで成り立つのなら、 私にも上手くできたのかもしれない。 しかし、大人の恋愛にはそれだけでは足りない。 私はそれ以上考えるのが嫌になってため息を吐き出した。 自分がこのままでいいとは思わないが、 どうしようかと考えだすとこうやってため息しか出ない。 今夜は友人の婚約祝いに出掛けるのだ。 曇った顔をしていくのは嫌だった。 私は地面から顔を上げ、夜空見上げて大きく深呼吸をした。 身体の中に新鮮な空気が巡ったところで、待ち合わせをしている友人にメールを入れ、バス停に急いだ。
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