第一章.真っ赤な嘘を召し上がれ♪

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つと、黒は頬に涙を伝わせる。 黒は頑張って人間の声で話していたが、とうとうオトに変わった。 「……デ。」 「……………エ?」 「俺ハ、全テ、知ッテイタ。 オ前ノ想イモ、“あの人”ノ、思イモ。 別ニ、関心モナイ。」 「…エ、…えッ?」 「憐レナ。」 そう言い残し、この場を去った。 本家へと戻ると、人間の勧め(軽く強制的だったが)躰にこびり付いた血を洗い落とし、ボスに会う。 ボ「……“白銀”、今日は随分と遅かったねぇー。」 嫌いな、オト。 白「……1匹、“蛇”がいた。」 ボ「嗚呼、そんなのがいたねぇ。 ……で? 別にそれが遅くなる理由にはならないよ?」 白「……イロ、に、惹かれた…。」 ボ「………ふーん。 そう、じゃあ、ソレも使おうか。」 ボスは人間を一人、呼ぶと、 ボ「おい、ゴミをひとつ拾って来い。」 「…御意ぃ♪」 ニタニタと笑みを浮かべた人間はその場を離れた。 ボ「じゃ、ソレは白銀が直々に使えるようにしてねぇ。 他の奴に見せたら……、フフッ。」 白「………。」 ……バタンッ。
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