7人が本棚に入れています
本棚に追加
つと、黒は頬に涙を伝わせる。
黒は頑張って人間の声で話していたが、とうとうオトに変わった。
「……デ。」
「……………エ?」
「俺ハ、全テ、知ッテイタ。
オ前ノ想イモ、“あの人”ノ、思イモ。
別ニ、関心モナイ。」
「…エ、…えッ?」
「憐レナ。」
そう言い残し、この場を去った。
本家へと戻ると、人間の勧め(軽く強制的だったが)躰にこびり付いた血を洗い落とし、ボスに会う。
ボ「……“白銀”、今日は随分と遅かったねぇー。」
嫌いな、オト。
白「……1匹、“蛇”がいた。」
ボ「嗚呼、そんなのがいたねぇ。
……で?
別にそれが遅くなる理由にはならないよ?」
白「……イロ、に、惹かれた…。」
ボ「………ふーん。
そう、じゃあ、ソレも使おうか。」
ボスは人間を一人、呼ぶと、
ボ「おい、ゴミをひとつ拾って来い。」
「…御意ぃ♪」
ニタニタと笑みを浮かべた人間はその場を離れた。
ボ「じゃ、ソレは白銀が直々に使えるようにしてねぇ。
他の奴に見せたら……、フフッ。」
白「………。」
……バタンッ。
最初のコメントを投稿しよう!