第一章.真っ赤な嘘を召し上がれ♪

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ふと、血の赤黒い色の中に、鴉の羽が濡れたような、黒がいた。 自分とは正反対のイロ。 何かが頭にチラついた。 「………ネェ、オマエハ………。」 埋もれていた黒を優しく引っ張りだす。 「………なんで、殺し…て、くれな…の?」 ……ゴミと同じような、問いかけに早くも醒めた。 「………興醒メダ。」 「…ねぇ、君、は、」 また音を発しようとした黒から手を離す。 力が入っていない躰はまた赤黒い色の中に戻って行った。 もう、処理は済んだので、その幽閉された空間から出る。 ピチャ。 不意に、音がした。 ついで、ズルズルと一生懸命に何かを吸う音。
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