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ふと、血の赤黒い色の中に、鴉の羽が濡れたような、黒がいた。
自分とは正反対のイロ。
何かが頭にチラついた。
「………ネェ、オマエハ………。」
埋もれていた黒を優しく引っ張りだす。
「………なんで、殺し…て、くれな…の?」
……ゴミと同じような、問いかけに早くも醒めた。
「………興醒メダ。」
「…ねぇ、君、は、」
また音を発しようとした黒から手を離す。
力が入っていない躰はまた赤黒い色の中に戻って行った。
もう、処理は済んだので、その幽閉された空間から出る。
ピチャ。
不意に、音がした。
ついで、ズルズルと一生懸命に何かを吸う音。
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