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別にもう興味は無いので振り返らずに歩く。
「まっ、て…!」
微かに聴こえた耳障りな音に、軽く皺を寄せた。
どうせ。
聴くなら、もっと綺麗なオトがいい。
そう思い振り返ると、
黒がいた。
なんの変哲も無く、そこに立っている。
相変わらず赤黒く染まってはいるが、傷等は何も無い、綺麗な躰。
ただ純粋に、どうして躰が元に戻っているのだろうかと思った。
黒は、俺の少し前で立ち止まると、自分と俺を見返してこう言った。
「ふ…ふ、オソ…イ。」
別に何も、思わなかった。
ただまた、耳障りな音を聴いて不快に思っただけだ。
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