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三日前のことだった。 練習中に擦りむいた、という膝の傷。 先輩はその写メに、痛いという言葉と顔のスタンプをつけて送ってきた。 お互い、姿や日常の写真を送りあっていた私たちは、妙な距離感でつながっていた。 だからなのか、なかなか会えなくても離れている気はしなかったし、週末はいつも電話していたから、関係はうまくいっているものだと思っていた。 その、傷が、このメールにきっちりと映り込んでいた。 もちろん、顔は写っていない。 でも、これが先輩だということはすぐに分かった。
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