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驚くほど、幸せ
もっと喧嘩とかするかと思っていたけど、――カズくんが譲歩してくれてるのか
元々私がカズくんを誤解しすぎていたのか
「立てる?車出すから」
私の手を優しく引き上げて、片手を私の身体に添えて支えてくれた
――優しい市川一哉、ってなかなか違和感。
「ありがとう」
「仕事、辞めたって養ってけんだけど」
そう、ボソッと呟いたカズくんを下から見上げる
「自分のお小遣いくらいは、自分で働くからいい」
いつもこの会話
そしてカズくんはそう言う私にそれ以上はもう何も言ってこない
あと、少し
もう少しで、楽になるはずだ
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