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【からくり屋敷・弐】
新しく出てきた道は細くて薄暗い廊下だった
「千代ちゃん、暗いから足元に気を付けてね」
「あ、ありがとうございます」
二人は暗い道を歩いていく
何処までも続く道
先程とは違ってか罠がない
「先程とは違って罠がないんですね」
千代ちゃんがポツリと呟く
「そうだね、可笑しい位何も無いね」
八雲は千代ちゃんの言った呟きに答えた
先程は罠があったのにそれが無くなるのは可笑しい
そう考えるのは普通だ
「まぁ、罠がないならないでたすかr」ヒュッ
全く無かったと思っていた罠が今、動き出した
突然、前から弓矢が飛んで来て八雲の顔スレスレを横切った
八雲は突然過ぎる仕掛けに反応出来ずにいた
後、数㎝動いていたら刺さっていたかも知れない弓矢は暗闇の中に消えていった
一本の矢が通ったのを合図に前から弓矢が一斉に飛んでくる
まるで侵入者を蜂の巣にするかのように
突然の襲撃に八雲は対応が出来ずにしゃがんでいたが千代ちゃんが動いた
飛んでくる弓矢を異能で爆破させる
爆破された弓矢はバラバラになって壊れた
「八雲さん、大丈夫ですか?」
千代ちゃんは何事もなく普段通りに聞いてきた
「だ、大丈夫だよ。ちょっとビックリしただけ」
「それならいいです。さぁ、進みましょう」
千代ちゃんはそう言うと歩きだす
八雲も置いてかれる前に立ち上がり千代ちゃんの後についていく
爆発が起こったのに何故か燃え広がらない屋敷について二人が気が付くのはもう少し後のお話
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