溺れるふたつの体

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  「こんなふうに……って」 「……さあ、自分でも判らない」 「あの……」 仰向けにして転がしてやると、 すっかり頬を紅潮させた 志緒は抵抗の様子もなく 俺を見上げてきた。 その潔癖そうなシャツに 手をかけながら、話を続ける。 「お前は、俺のでいいんだな?」 「拓海さん……」 「次は、もうないぞ」 自分のことを、話すのは苦手だ。 何を思い何を口にしたところで、 誰かと全部理解し合うことなんて できやしない。 「次、って……?」 志緒の瞳が、 熱く潤みながら俺の指先を追う。 その視線には気付いてるぞ、 と示すように動作を止めてから、 それでも彼女の目には より官能的に映るように、 じっくりボタンを外していった。 .
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