1190人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「こんなふうに……って」
「……さあ、自分でも判らない」
「あの……」
仰向けにして転がしてやると、
すっかり頬を紅潮させた
志緒は抵抗の様子もなく
俺を見上げてきた。
その潔癖そうなシャツに
手をかけながら、話を続ける。
「お前は、俺のでいいんだな?」
「拓海さん……」
「次は、もうないぞ」
自分のことを、話すのは苦手だ。
何を思い何を口にしたところで、
誰かと全部理解し合うことなんて
できやしない。
「次、って……?」
志緒の瞳が、
熱く潤みながら俺の指先を追う。
その視線には気付いてるぞ、
と示すように動作を止めてから、
それでも彼女の目には
より官能的に映るように、
じっくりボタンを外していった。
.
最初のコメントを投稿しよう!