溺れるふたつの体

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  「お前の気持ちも都合も、 もう知らね。 全部関係ない」 だが、志緒にだけは違う。 どうしても。 ──彼女のために 俺にできることなら 何でも尽くしたい。 言葉ごときで済むなら、いくらでも。 「……欲しい。 お前だけが、欲しい」 言うが早いか、 志緒の太ももを抱え上げ、 剥き出しの白い肌に 口唇を這わせた。 のけぞる腰を戒めるように抱き、 這わせる舌をだんだんと 移動させていく。 ──たどり着いた 深く暗い泥濘を、 丁寧に開いていった。 「や……拓海さん、や……」 「……ッ」 ……ああ、 お前はいつでもあったかいな。 .
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