溺れるふたつの体

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  俺はガキの頃から、 志緒がひとりで何でも できるように仕込んできた。 そして、少し大人しいものの 志緒は利発な女に なってったはずだ。 ──俺がいないと 何にも決められない女、 か。 お前の言葉に、 寒気がするほどの快感が 走ってったなんてこと。 ……死んでも言えねえ。 「……信じられなかったんだよ!」 ハンドルの下部を 殴りつけたのは、 そうしないと抑えが 利かなくなるからだった。 それでも余って はみ出してくる乱暴な愛しさが、 志緒に手を伸ばす。 細いうなじを抱え、 蓋をするようにキスをした。 「んっ、やぁ……っ!」 .
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