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過ぎた快楽は
もはや苦痛に近い。
思わず眉根を寄せ、
攻め立てるように細い体を揺らす。
志緒の方も早くも
耐え切れなくなっているのか、
助けを求めて腕を投げ出した。
逃がすまいとその手を握ると、
志緒は嬉しそうに微笑む。
そうやって泣けば泣くほど、
俺しかいないと
訴えているだけだと判る。
「拓海っ、さん……」
「……志緒」
「いや……」
波の満ち引きの如く
ソファーの上を揺蕩いながら、
志緒は熱に浮かされた目で
俺を見つめた。
「二度と……
こんなこと、他の人にしたら……」
「……ほお」
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