溺れるふたつの体

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思わず、 自分の口唇を舌で舐めてしまう。 志緒はさらに 高く甘えた声を上げながら、 俺を離すまいと 腰を押し付けてきた。 全部持っていかれそうになり、 思わず押さえつける。 「おねが、い……ッ。 あたしだけ…… もうあたしだけに、して……ッ」 ──仰せのままに。 欲しくて欲しくて たまらなかった、 心地よい敗北感。 頭や心臓と言わず、 好きにもぎ取って行けよ。 ……心配しなくても、 これは最初から全部 お前のものだ。 .
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