溺れるふたつの体

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  抵抗する志緒が 逆に煽情的で、 思わず舌なめずりをする。 とことんどうしようもない 自分に諸手を上げて ひれ伏すような気分で、 彼女の下肢に手を伸ばした。 あ、あ……と すすり泣くような声を上げる 志緒の首筋に舌を這わせ、 溜め息をつく。 「おかしいだろうが」 「な、に……がっ」 「お前、 俺が女とっかえひっかえしてたの、 知ってたくせに。 好きだって言ったくらいで、 なんでついて来れんだ」 もちろん、 来てくれなくては困る。 来てくれて、死ぬほど嬉しかった。 だから、つい疑うんだ。 あまりに俺の 思い通りになっていったから。 ……自分の思い通りに なるというのは、 何故だか知らねえがとても怖い。 .
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