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志緒にしがみつくようにして、
今まで死んでも言うかと
思っていた本音が、
ぼろぼろとこぼれ落ちていった。
とっくに志緒は
俺のものだったんだと判ったら、
現金なものだ。
洗いざらい
話してしまいながら、
胸がすくような
気持ちになってくる。
──知らなかった。
本当のことを話すと、
心ってこんなに軽くなるのか。
「ガキの頃は1年だって
でけえのに、
3年も遅く生まれやがって」
「……」
いよいよ本気で甘えたくる
ガキみたいで、
さすがに恥ずかしくなってきた。
志緒の涙を袖で
ゆっくり拭ってやってから、
震える身体を
ナビシートに押し戻す。
「ああ、みっともねえ。
……こんなこと
話すはずじゃなかったのに」
「待って、頭がついてかない……」
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