天気雨

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とにかく、時間が、ない。 暴れ馬のようなママチャリを、一心不乱にこげば、 遠くの田んぼの真ん中にポツリと建った、無人駅の青いトタンの外壁が視界に入る。 ローカル線の二両編成の赤い電車が、警笛を鳴らしながらゆっくりと駅に入って来るのが見えた。 ぎりぎり間に合う! そう思った瞬間、がちゃりと言う嫌な音と共に、ママチャリが止まった。 チェーンが、ブッツリと切れていた。 結果。 俺は、電車に乗り遅れた。 次の電車が来るのは1時間後。 俺は駅舎の中、デイバックを枕にベンチに横になると、さっきの予定外の運動も手伝ってか、心地よい倦怠感に包まれて、すぐにウトウトと眠りの中へ落ちて行った。
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