天気雨

7/8
前へ
/8ページ
次へ
ぐうと、彼女のお腹が鳴り、見る間に白い頬が真っ赤に染まる。 俺は稲荷ずしを勧めた。 彼女は嬉しそうに、パクッと一口頬張る。 その時、祖父の家から着信が入った。 「あんた大丈夫なのっ!?」 電話にでれば、響いてきたのは大音量の祖母の声。 「脱線事故でケガ人がいっぱい出てるって、テレビでニュースやってるよっ!」 ――え? 『ごちそうさま。気を付けてお帰り下さいね』 彼女の声が聞こえた。 でも座っていた筈の場所に彼女の姿は無い。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加