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何気にギリギリと力が込められているようで、ちょっと手首が痛いような……違う。違うぞ瑠璃。
ような、ではなくて確実に痛いんだ。
そして、まもちゃんの顔が異常に近いっ。
「調子に乗るなよちんちくりん」
「……はぃ?」
「お前には色気なんぞ程遠いからな」
い、言われなくたって分かってますよぅ……って、言いたかったけれど。
その前に、ごちっと鈍い音がした。
したっていうか、額が痛い――って、ま、まもちゃん!?
目が、瞳が、ち、近いんですけどー!!
でも叫びそうになった瞬間、引っ付いていた額が離れて、押さえつけられた手首も離された。
あちこち少しぴりぴりして痛い。
なんか、何気にショックだったりする。
私の中のまもちゃんと今のまもちゃんが違うってことを、何度も身を持って分からされているようで。
まもちゃんは私よりもずっと大きなお兄ちゃんだった。
でも、なんだか私がすっぽりと隠されそうなほどの大きさじゃなかったから。
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