第1章

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オー子は今はじめて後ろ盾がいなくなった事に気づいた。 先生はもとより、ブァカンチー教授も「一年間楽しみを見つけに行く」とどのようにも解釈出来る言葉を残して、バーカード大学を後にした。 残るはバカ田大学? そう母校のバカ田大学に頼んでみよう。 十何年前のAO入試でも私の得意なプレゼンで面接官は魅了されていたわ。 いつも、そう。 ひとたび私が話し始めると、人は皆、しんとして聴きいるの。 特に中年以降の男達。 そんな空気を感じると、私は益々嬉しくなって肌も瞳も、髪さえもキラキラ輝いて来るのが自分でも判る。 私の奥の襞に潜む万能細胞がどんどん増殖してくるの。 オー子は、新たに沸いて来た自信に包まれて母校のバカ田大学の内線をコールするのであった‥
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