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年末に飲みに行ったときの、朋哉との会話が蘇る。
「今年もクライミングに行くのか?」
「あぁ」
「蔵王だろ? スキー場に行けばいい女がたくさんいるじゃないか。何でわざわざそんな山の奥に行って、氷に登るんだ?」
「お前にはわからねーよ」
「じゃあ、たまには付き合ってやるか。その代わり、終わったら一緒にボードしようぜ。一人よりも二人組のほうが誘いやすいんだ」
「そんな気力が残ってたらな」
冗談だと思っていたら、出発当日本当にやってきた。
「この日のために、ウェアを新調したんだぜ?」
得意げに胸を叩く朋哉。
「しかたねーな」
ここまで張り切っている朋哉を追い返すのも薄情な気がして、肩をすくめた。
朋哉の持ってきた荷物を車に積み込み、俺たちは出発した。
「ホテルはスキー場の近くに取ったから」
「は?」
「準備万端だろ?」
全く、何もかも準備してたんじゃないか。
追い返してたらどうしたんだろ、こいつ。
運転しつつ、横目で様子を伺う。
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