第1章 突きつけられた現実

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耳障りな機械音が遠くから聞こえてきた。 規則正しく時を刻むような、電子音。 ・・・うるさい。 微睡んでいた意識が、急に引き戻された。 そして、開いた目に映ったのは、白い天井。 動かした瞳は、カーテンを捉える。 どこだ? 見慣れない景色。 動かない身体。 腕に刺さっている点滴の針。 無数に伸びる、色とりどりの線。 眩しさから目を背けるかのように、反射的に瞳を閉じた。 ベッドに意識が沈むような浮遊感のなかで、記憶の糸を辿る。
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