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「ここにいるのか? 無事なのか?」
さらに詰め寄ろうとしたとき、違和感が襲う。
・・・何だ?
震える手で、掛けられた薄い布団を一気にめくりあげた。
「あ、あああっ!」
そこに、あるべきはずのものがなかった。
「足・・・。俺の足・・・。
何だよ、これ。どういうことだよっ!」
遅れてやってきた医者が、慌てて俺を押さえつけた。
「起き上がらないでください! まだ傷がふさがっていないっ!」
「ふざけるな! 俺の足はどこだよ! 一体どうなってるんだよ!」
現実を受け入れることができずに、立ち上がろうと必死になる。
怒りにまかせ、身体を動かそうとしても、まったく足に力が入らない。
「誰か押さえて! 早く、鎮静剤を!」
俺は悪夢から逃れるように、半ば自分から意識を手放した。
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