第1章 突きつけられた現実

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「ここにいるのか? 無事なのか?」 さらに詰め寄ろうとしたとき、違和感が襲う。 ・・・何だ? 震える手で、掛けられた薄い布団を一気にめくりあげた。 「あ、あああっ!」 そこに、あるべきはずのものがなかった。 「足・・・。俺の足・・・。  何だよ、これ。どういうことだよっ!」 遅れてやってきた医者が、慌てて俺を押さえつけた。 「起き上がらないでください! まだ傷がふさがっていないっ!」 「ふざけるな! 俺の足はどこだよ! 一体どうなってるんだよ!」 現実を受け入れることができずに、立ち上がろうと必死になる。 怒りにまかせ、身体を動かそうとしても、まったく足に力が入らない。 「誰か押さえて! 早く、鎮静剤を!」 俺は悪夢から逃れるように、半ば自分から意識を手放した。
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