第1章 突きつけられた現実

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「いいですか? あなたは、雪崩で行方不明になったあと、時間が経ってから捜索隊によって発見されました。  凍傷にかかっていた足は、骨折もしており、残念ですが切断となりました。  今は、性能の良い義足もありますから、のちほど相談しましょう。  命があっただけでも、奇跡なんですから」 淡々と説明する医師の言葉は、頭の中にちっとも入ってこない。 奇跡? 義足? ふざけるな。 何にもわかってない! 足がなければ、もう登れないじゃないか・・・ そして、誰も朋哉のことを教えてくれない。 一体何がどうなっているんだ? 考えることはたくさんあった。 だけど、どれもこれも結論が出ないまま、堂々巡りだ。
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