第1章 突きつけられた現実

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あまりの情報の少なさと、受け入れがたい状況に、いっそ死んだほうが良かったんじゃないかと思うほど。 「検温です」 「傷は痛みませんか?」 入れ替わりやってくる看護師と、味もそっけもない食事。 拒否することも許されず、時間だけがいたずらに過ぎていく。 時々、発作のように暴れる以外、死んだように過ごしていた。 「かゆい。足がかゆいんだよ!」 ないはずの足が痒い、痛い。 それが、俺に錯覚させる。 これは夢だ、と。
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