第1章 突きつけられた現実

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*** コンコンとドアがノックされた。 訪れるのは、看護師か医者しかいない病室。 どうせまた、わけのわからない話をしにきたんだろ? ドアに背を向けるように、身体をひねった。 「すみません。お話をお伺いしたいのですが」 聞き慣れない、義務的な硬い声だった。 「我々は警察です。医師の許可は15分しか取れなかったので、手短にお願いします」 警察? 「事情聴取ってやつです。ようやく許可が下りたので、こうしてお伺いしました。今具合はどうですか?」 どうですか? 最悪だよ。 話なんてしたくない。 それでも、警察が来たなら、詳しい状況を知ることができるかもしれない。 一度も会えていない朋哉。 もしかしたら。 嫌な予感を振り切るように、寝たままの体制で尋ねた。
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