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潤はちっこいからか、
グラスを半分も空けないうちに赤くなってくる。
もう三年ほどのつきあいだけど、いつもそう。
「潤、たれついてる」
「……!」
口端についた焼き鳥のたれを
ぺろりと舐めとったら……
みるみるうちに指先まで赤くなって固まった。
なんだろね?この反応?
「潤。揚げ出し豆腐、好きだろ?あーん」
真っ赤になって開けた口に、
小さく切った揚げ出し豆腐を入れてやる。
潤は黙って食べてる。
……やべえ。可愛すぎて困る。
「あのさ、嘉納?
さっきから俺がいるってわかってる?」
「えっ?あ、瀬戸、いたんだっけ?」
掛けられた声の方向を見ると、
苦笑いの瀬戸の顔。
「まー、いいけどさ。
それにしても嘉納、おまえ、
彼女ができると変わるのな」
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