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「……別にいいけど」
「うん。
あとね、……やっぱりそのとき話す」
潤は泣きそうな顔のままちょっと笑うと、
いってしまった。
……はぁーっ。
とうとう別れ話、とか?
二ヶ月も持たなかったなー。
暗い気持ちのまま仕事をし、
終わると潤と一緒に会社を出た。
いつもの居酒屋に行ったものの、
話は全く弾まない。
あの日、
名前を呼ぶたび赤くなる潤が可愛い、
とか思ってたのが懐かしい。
潤は話を切り出すきっかけが掴めないのか、
いつもの倍以上飲んでいた。
「嘉納くん」
結局たいした話しもしないまま、店を出た。
なぜか潤は黙って俯いたまま、
俺の袖を掴んでる。
「潤?俺もう、帰るけど」
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