第1章

4/12
前へ
/14ページ
次へ
同じように見える試験管に、汗が混じっているなんて。 一歩下がると いつの間にか背後に立っていた先生に軽く当たった。 「気持ち悪いですか。そんなものを喜ぶ大人は」 表情が見えない分、声がとろりと耳に這いよる。 「では、そんな処女の楠本さんには実験をしてあげましょう」 「なっ」 「素晴らしい反応ですね。」 棚から白い粉末とシャーレを持ってきた。 椅子に座らされ、目前のシャーレを見つけめる。 先生が後ろから手を伸ばし、匙で粉を少しだけ入れる。 「舐めて」 じっと見ていると、先生の指が粉を掬った。 「害は無いよ」 先生は自分の人差し指を舐めた
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加