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ジャックちゃんは最初から気付いて、男の子とは距離をとって歩いてました。
今はまだ公園の駐車場の所で…。
公園の駐車場から、公園の低い緑の生け垣の間にあるゲートを通って中に入ろうとしたら…
バチッ!と小さく音がして、男の子がイチズくんの腰から離れました。
ええと?そんな怖い顔でワタシを睨まなくても…ワタシ、あんまり怖くはないのでしたがね。
「この悪ガキ、お前の下僕に憑く気満々だった?」
公園の中にいるイチズくんは、青い顔で立ち尽くしています。
『下僕』って…?
ジャックちゃんったら失礼な!イチズくんはワタシの大切な友達でしたが、何か文句でも…?
この辺りって、負の気が歪んだ道になっているみたいで…。
ジャックちゃんの家は、その通過点のようでしたが…。
この公園は…所謂、陽の気の非難場所のようで…
『負』つまり陰陽学科の教科書で言うところの『陰』でしたかね。
『陰』あれば『陽』あり、逆も然り云々。
…『陰』色濃く成れば『陽』を採り込まんとし。
『陽』色濃く成れば『陰』を薄め消さんとす。
…『陰』『陽』の均衡、保つべし。
…ええと…教科書丸々復唱していたら、お昼になってしまうので止めときますね。
で、此処は妙に張り巡らされた『負』の道から逃げ出した『陽』の気の集まり場所みたいなもので…。
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