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「まさかの無自覚かよ。」
「無自覚?」
なんて話してたら、ジャックちゃんが突然ワタシの視界から消えました?
ジャックちゃんは地面を這いずっていて…
それを確認して声を掛けようとしたら、ワタシの足首に違和感を感じて…
身体が傾いて、ビタン!と地面に鼻の頭を強か打ち付けました…イタイ…。
見れば足首に蔦が絡まっていて…それがズルズルと、ワタシとジャックちゃんを白い家から遠ざけるように引きずって行くのでしたが…。
「ジャックちゃん、ジャックちゃん、大丈夫でしたかね?」
「お前、何落ち着いてんだよ!?」
…ズルズル…
「落ち着いてる訳ではないのでしたが…。
ぁ、ジャックちゃん、その蔦は手で無理やり剥がさない方が!」
「何でだよ!?お前も少し慌てろつーの!」
「ジャックちゃん、それ、蔦漆(つたうるし)ですし…。
ワタシ、初めての冒険の時は完全装備ですし。
靴とズボンの隙間を作らないように、布が無かったのでガムテープ巻きましたので…素手で触らなければ気触(かぶ)れませんし。」
「ゲッ!漆(うるし)!?」
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