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「ふ、ふん。この天の邪鬼の惹紅様が蔦漆なんぞにビビるとでも…」
「でもジャックちゃん軽装ですし…ワタシと同じ架け橋の子ですので、今は人間ですし。
漆は酷くかぶれますよ。
ワタシけっこう重装備でしたが、引きずられてお尻が痛いのでしたかね。
流石に暑いので、手袋はズボンのポケットですし…。」
「何をの、呑気に!まったく!お前って奴は!!」
ええと。ジャックちゃん、足首が赤くなり始めてますし?
ワタシ手の方は無防備でしたが、抵抗をしなければ蔦が上の方に絡まってくる事はないようなので…ズルズルと…ズルズルと…。
「ええと…困り過ぎました。
どこまで引きずられるのでしたかね?」
ズボンに穴が空いて、擦り傷が出来ちゃいそうですし。
「お前!どうしてそう呑気なのっ!?」
これでもワタシ困り過ぎているのでしたが…。
このままだと、あの鬱蒼とした生け垣の家の中へ入ってしまいそうです。
その時でし!
「・・・・・・」
彼は音もなく、無言で其処に立ち現れました!
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