そして何故だか第2章

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「機長、管制塔と繋がりません!」 「機長、計器が全て作動停止しています! レーダーも…正常な位置確認ができません!」 「空港を発着してから5分も経っていない。 場所はまだ日本上空の筈だが…。」 目視をしても、周りの様子はわからず… 「パステルカラーの積乱雲? しかも雲と言うより…」 「綿飴製造機の中に突入したみたいだ?」 綿飴は機体の先端にへばり付き厚みを増していく。 このままでは、ジェットエンジンの噴出口を詰まらせて、更なるトラブルを生むことは目に見えている。 今のところはまだ安定して飛んでいるが…何時真っ逆様に急降下してもおかしくない状況だ。 下の状況は掴めないが、被害を考えれば街中にだけは落ちて欲しくない。 そう願うのは、副操縦士のジョンだけではない筈だ。 「き、機長、エンジン音が止まりました!」 「マイケルくん、最後まで諦めるな!」 「ラジャー!」 不運な見習い操縦士は、気丈に振る舞っているが…その声も手も震えている。
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