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そっとカヅキを見ると、目が別の方向を見ていた
「・・・カヅキ?」
疑問に思い、俺は彼女の名を呼ぶ
「なに?」
顔を俺の方に向けたが、目はやはり違う方を見ている
「お前、目が見えてないのか?」
「うん、そうだけど?」
そういう重要なことは、最初に言えっての・・・!
とりま、カヅキを浴室の外に出し(ちゃんとバスタオルで包んでから)、俺は諸々を片して浴室を出た
「身体洗うのに時間掛け過ぎじゃないか?」
「うるさい、黙ってろ」
ソファに座って、書類をなぞってるカヅキの隣に座る
「へいへい・・・明日、ギルドに行くから腹括ってくれ」
「は? 何でだよ」
訳が分からず、俺は尋ねる
「ヒモで居たいなら止めんさ、俺にゃ吐き捨てる程度に財が有るし」
「・・・オッケ、分かった」
とりあえず、働けってことだな
ヒモになんかなりたかないし
「納得してくれた様で何より、ならば今日は寝ろ」
「何処でだよ? お前と一緒はごめんだぞ」
それこそ、理性がもたない
「安心しろ、寝室にはアオイだけだ。コレを済ませなきゃならんしな」
「あー、そーかよ」
俺は寝室に行き、空いてるベッドに横たわる
疲れた・・・
瞼が徐々に落ちていき、俺は意識を手放した
翌朝、目覚めたらカヅキが隣にいた
神様、俺なんかしましたかね?
「おはよう、よく眠れたか?」
「あー・・・よく眠れた。んで、退いてくれませんかね?」
腕を拘束されているから、身動きが取れねーんだよな
「夢心地なので、もうしばらくお待ちを」
「待てません」
力づくで、引き剥がしにかかる
「ブーブー」
ブーイングされたが、良かった・・・このままじゃ、キスするところだった・・・
「顔を洗って来い、朝食を作っておく」
キッチンに向かったカヅキに促され、俺は洗面所に行く
くそ、可愛いじゃねぇか、ちくしょう・・・!
雑念を振り払うかの様に顔を洗い、リビングに戻る
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