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「なんだ?美少女になってるからハートを撃ち抜いちまったか?」
「・・・お前、マジでカヅキ?」
一応、確認してみる
「んなら、お前の忘れたい黒歴史を暴露してやろう」
何だそれ?
黒歴史なんて、あったっけ?
「アレは小6の夏休み、お前はミカン酎ハイをミカンジュースと勘違いし、俺の制止も聞かずに一気飲みして泥酔して俺を押し倒し純潔を奪おうとした、よもや忘れて無いよな?」
「~~~~っ!?」
言葉を失う
あの日、確かに俺はその失態をやらかした
親父にはブン殴られたし、こいつにも殴られたし、こいつの兄貴たちにもフルボッコにされた
気づいたら、木にぶら下げられてるし
「責任、とらせなきゃなぁ?」
「・・・」
ニヤリ、とカヅキは笑う
「信じて無いのか?」
「いや、信じるよ」
それ以来、俺はお前を好きになったんだから
・・・卒業式の日に、告白しようと思ってた
こいつの葬式の日は雨が降ってて、俺は傘を差さず、納棺まで見送った
親友が、辛そうな顔で俺を見てたっけ
雨に乗じて、泣いたよ
「また会えて、嬉しいよ。カヅキ」
「おう、俺も嬉しいぞ」
ニコ、と彼女は笑う
あぁ、そういうとこ変わらないな
「んじゃ、行くぞ~」
「いや、どこにだよ」
思わずツッコミを入れてしまう
「俺の根城で有り、お前の新居だよ。野垂れ死にたくないなら黙って着いて来い」
そう言われれば、着いて行くほかない
フードを被り転移魔法陣とやらを出し、連れて行かれたのはでかい建物だった
「ようこそ、アクエリアスへ」
「WHO公認の飲料だっけ?」
確かそんなんだったと思う
「知らん、因みアクエリアスは水瓶座の事だからな?」
「知ってるよ」
ちなみに、俺はアリエスだ
「此処だ・・・アリシャさん、私です。入ります」
重厚な扉を開け、カヅキはその部屋に入る
俺もその後に続いた
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