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燐堂 旭、18歳。
高校二年の幕開けの日。
今俺は、見知らぬ人の家にいます。
「……why?」
遡ること2時間前、俺は普通に朝食を食べ終えて学校に行く準備をし、
親が経営している花屋「千華堂」を出て学校に向かったはずだ。
何もおかしいところはない。
じゃあなんで見ず知らずの人の家に、しかも布団の上にいる?
…たしか、家から出た後
俺は交差点で信号待ちをしていた。
そんで渡ってた時に…なんか飛んできて顔に張り付いて、前が見えなくてわたわたしてたら…
ぶつかったん、だよな…なんかに。
覚えてないけど。
「あ、起きましたか?
どこか痛むところは無いですか…?」
キッチンと思われるところから男の人が出てきた。
…うわ、すごい綺麗…
モデル顔負けのスタイルの良さと顔…
それになんか…キラキラしてる…?
「あの…?」
「あ、す、すいませんっ!!
痛いところはないんですが、なんで俺がここにいるのかを少し覚えてなくて…」
「そうなんですか…」
と、少し何か言いたげな顔をされる。
「あの、なんでここにいるんでしょうか?」
「それは…朝、私が急いで店に向かおうとして走ってたら、君とぶつかってしまったんです…。
お恥ずかしながら、朝急いでいたのでメガネをするのを忘れてしまって…よく見えなくて気づかなかったんです…
すみません!」
「そうゆうことだったんですか…
それで俺が倒れてしまった、と…?」
「はい…」
なんつー貧弱者だよ、俺…
綺麗な人にまで迷惑かけて…はぁ~…
「俺はもう大丈夫なんで、家に帰りますね。
お仕事なのに、わざわざすみませんでした。」
「いえ、こちらこそすみませんでした…
もしよかったら送って行きますよ?」
「え、でも車とかはないんじゃ…」
「店に駐車場がないものですから、店長に車で来るな、と言われまして…」
へぇ…どこの店だろ…
…って、始業式いいい!!!
「じ、じゃあ、すいませんが家まで送っていただけませんかっ!?」
服が汚れてるううう!!!
「はい、わかりました。」
嫌な顔一つすることなく、綺麗な人は家まで送ってくれた。
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