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すぐに全速力で走り出す亜里沙は、
どんなにおしゃれをしていても、
靴はスポーツシューズだった。
ふわふわと揺れる髪は、
肩まであり、
くるくると巻いていた。
「猫は、
一言では説明できない生き物。
私は、
ただ『死から来る者』とくくる。
でも瞬君には見えなくてもいいものだね」
亜里沙は、
瞬が猫を見えるかどうかを知りたかったのかもしれない。
そうすると、
亜里沙は一体何者なのだろうか?
瞬は亜里沙に次の質問が出来ないでいた。
「ユカさんだったっけ? 猫を欲しがる少女の調査が先みたいね」
亜里沙は、
立ち止まった瞬を振り返り、
困ったように少し笑った。
その笑顔は、
いつもの亜里沙の笑顔とは違い、
とても寂しいものだった。
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