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ユカの下校時間に合わせて亜里沙は、
瞬と待ち合わせをした。
着替える時間がなかったので、
瞬は珍しく学生服のままだった。
亜里沙は瞬を一目見て、
手を胸の前で合わせた。
学生が帰り始めた人ごみの中、
亜里沙自体でも目立つのに、
瞬も際立って目だっていた。
「かわいい!!!」
亜里沙の叫びに、
数人が立ち止まった。
瞬は自分の方を見て叫ぶ亜里沙に、
後ろを確認してみた。
特に何があるという訳ではないようだった。
瞬の学校の制服は、
昔の学ランに似ていて詰襟だった。
その制服がストイックな瞬には、
とても似合っていた。
しかもユカが通っている学校は、
名門女子校だった。
周囲は女子しかいない。
瞬が目立つのは仕方ないのかもしれない。
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