第三章 死から来る者

19/19
341人が本棚に入れています
本棚に追加
/464ページ
 亜里沙は、 すごい速さで隣の車両に移動していた。 瞬も追いかけて移動すると、 若い男はユカの頭を鷲掴みにしていた。  突然音が反響すると、 電車は先の見える短いトンネルに入った。 その時、 ガラスに写った若い男とユカが、 入れ替わった。 ガラスの中が実写のように鮮明になったかと思うと、 電車の中の二人が半透明になったのだ。 「待て」  亜里沙がガラスに飛び込んだ。  瞬も追いかけてガラスに飛び込もうとした時、 電車はトンネルから抜けていた。 ユカも若い男も、 亜里沙も消えていた。  
/464ページ

最初のコメントを投稿しよう!