第三章 遠藤夏

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 ふんぞり返るかのようにイスに座っている神宮寺は、 北原に睨まれて、 避けるがの如く、瞬を見た。  瞬は、 北神探偵社の台所から出てくると、 味噌汁のなべをテーブルに置いた。 「尾行も満足にできなかったうえに、 依頼者に助けられただと?  しかも、殺されそうだ?  どこまで、ふざけてる」  北原は、 神宮寺の横の椅子に座ると、 料理の隙間に書類を置いた。 その書類には、 今まで会屋や瞬に関り、殺された人物の、 経歴が書いてあった。 一流大学を卒業していたり、 実はきちんとした企業に勤めていたりと、 胡散臭いアルバイトをしていた割には、 きちんとした経歴があった。
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