第三章 死から来る者

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 やがて人から、 何かモヤのようなものが出てくると、 猫は体を移動させた。 猫はモヤを吸い込むと、 瞬間に消えていた。 「猫、 捕まえないんですね?」  瞬は、 じっと猫を見ていたのに無視しているかのような亜里沙の顔を見上げた。 瞬よりも、 やや亜里沙の身長の方が高かった。 「あの猫、 実体化していなかったよ。 見えたの?」  亜里沙の謎の質問に瞬が答えを考えてしまうと、 亜里沙は見えてなければ質問しないかと一人でケラケラ笑った。 亜里沙が猫を追いかけていた時には、 瞬には猫は見えていなかったから、 見えないかと思ったと告げた。 「ううむ、 じゃ、猫が狩りをする時には見えるのかな」  亜里沙は一人でうなってもいた。
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