第1章

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次の日からは、彼は一軒一軒家を回って挨拶し、そのあとは僕たちと遊んでくれた。 僕の家に来たのは彼がここに滞在する最後の夜だった。 「なんで僕の家が最後なんだよ」 「そのほうがレンとたくさん話せると思ったんだけどなぁ。嫌だったか?」 僕は即座に頭を横に振る。 「夜ご飯用意します」 「大丈夫だよ、お姉ちゃん。前の家で食べさせてもらったから」 「ここに泊まるの?」 「あぁ」 僕は歓喜の声を上げて、その場でジャンプした。よかったね、とお姉ちゃんは言った。 それから僕は旅の内容を聞かせてくれと頼み、僕が寝るまでの間たくさんの話を聞かせてくれた。 「レンは寝ましたか」 「うん。目をきらきらさせちゃってなかなか寝なかったよ、まぁ、俺も話せて楽しかったけど」 「ところで、私にお願い、とは?」 「そのことなんだけどさ……」 翌朝。 「みなさん、少しの間でしたが、とても楽しかったです。ありがとうございました」 彼は見送りに集まった僕たちに向かって大きな声で言った。 「また来てね、絶対!」 僕も大きな声で返す。 彼は頷くと、手を振りながら朝日に向かって歩きだした。
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