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数分まえまで、オレは余裕しゃくしゃくの微笑を絶やさなかった。物資調達のためにぶらりと立ち寄ったとある街で、これまた情報収集のためにとぶらりと立ち寄った依頼所で、とある任務を快諾した。その任務危険度は五ランク。
五、か……。正直、ためらいはあった。一からはじまり、徐々に危険度が増していくランク。十を頂点とするその任務の中で、五はちょうど真ん中。可もなく不可もなくである。
ただ、オーム(任務遂行者)が単独でこなせる任務のランクは、個人の力量にもよるがせいぜい四、五程度。それを踏まえれば、ためらうのもむりはない。だが、刹那の逡巡の末、最終的にはお財布事情に負ける結果となる。
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