脇役生徒Aの見解

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  はじめまして。オレは幼稚舎から大学部まで一律の全寮制男子校(蘭(アララギ)学園)高等部に通う生徒A、完全なるモブの脇役ですね。 今後の出番は望めないかも知れませんが、この場だけでもどうぞ宜しく。 蘭学園は所謂王道学園と言われる所で、在学する生徒は一部例外を除いて、皆が皆生粋のお金持ちのご子息達。 校則で学園内平等を謳っていながらも生徒達の権力の横行が凄いのなんの。 そして何と言ってもホモ率…こほん、失礼。何と言っても同性愛者率が高いです。そりゃもう怖いぐらいに高いです。 まあ、かなり幼い、それこそ物心ついた時頃から周りに男しか居ない中で育ったらそうなる人達が出るのも仕様がないのかも知れませんけど。 ちなみに一部例外とは途中編入、または新入してきた外部生の事を指します。 オレも数少ない外部生枠を勝ち取った内の一人でして、高等部で新入学して来た一般庶民です。 今となっては後悔しかない。外部生の手厚い待遇と特典に釣られた自分が心底憎くて堪りません。 こんな内情を抱える学校だと最初に分かっていたら、絶対に受験しようなんて真似はしなかったのに。 パンフレットにもホームページにも“権力の蔓延る同性愛が盛んな学園”とは一言も書いてなかった。当たり前だけどさ。 そんな訳でこのホモ校…こほん、蘭学園では顔面格差社会が形成されています。 美形至上精神を掲げて、顔の造りさえ良ければその人となりは二の次三の次。人間として最低の屑ですね。 口に出したら金持ち坊っちゃん達に社会的に殺されそうなんで言いませんが、心の中では割とボロクソ言ってますよ。
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