脇役生徒Aの見解

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  久遠様は学校のある日は保健室で一日を過ごします。 蘭学園はテスト点さえ取れば進級、卒業は出来るので頭の良い久遠様は、保健室登校でも問題ないそうです。 一応学園からも許可を貰っているのだとか。 久遠様の居る保健室はとても神聖な空気があります。 オレが軽い怪我をして保健室を訪れ、初めて久遠様を目にした時、本気で女神様かと思いました。 丁度保健室に不在だった保健医の変わりに手当てをして貰い、畏れ多さの余り硬直しっぱなしのオレに優しい安心感をもたらす声と微笑みで話かけてくれた久遠様。 この時、ホモの気持ち(久遠様限定)が身に染みて分かった瞬間でした。 久遠様は美しい。絶世の美女も傾国の美姫も、その完成された美しさの前では霞んでしまう程に。 外面も内面も、オレが知りうる限りでは久遠様に叶う人は居ないでしょう。 そんな久遠様は当然ながら狙われる。 中には無理矢理、何て人もいます。 オレとしては近付くのも烏滸がましいとさえ感じさせる神聖な久遠様に、良くそんな邪な想いを抱けるものだと思いますがね。 ホモの気持ち(久遠様限定)が分かったと言ったけれど、オレは久遠様に恋愛感情は一切ないです。 恐らくこの先も恋愛的な意味で好意を寄せる事はない。 言うなれば一種の崇拝に近い憧れで、それはオレが生粋のノンケだからってのもあるのでしょう。
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