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「オレ、ミユキに対しては肉食丸出しだけどね」
ニヤリと笑ったのをミユキはスルーして
「おかわりするでしょ?」
と言いながら
オレの器を手に取って、また大粒のロールキャベツを2つよそった。
そしてまた腰かけると、頬杖をつきながら溜め息をついた。
「……壊そうとするなよって言うけど、壊そうとしたのはリューマの方なんだからね」
とっくに終わったと思ったさっきの話を
ミユキは頬を膨らませて
反論してきた。
ミユキの険しくなった顔を見て
やば……。
と不穏な空気を感じながら
おかわりに盛ってもらったロールキャベツにカブリつく。
「あぢっ!」
コントのようにオーバーリアクションをしてしまったオレを見たミユキは
冷ややかに鼻で笑いながら、
冷たい水をグラスに入れてオレの目の前に置いた。
「里奈さんの香水を匂わせて朝帰りして、仕舞いにはキスマークもつけてきて、夫婦辞めようって決断するのもしょうがないと思うけど?」
ミユキは当時の感情を思い出したのか、
うっすら涙を瞳に浮かべた。
オレって……。
久しぶりのミユキとの食事が
オレの些細な一言で台無しになろうとしている。
「ごめん……」
オレは少し項垂れ気味に謝った。
そしてミユキはまた残酷な一言を浴びせる。
「今はこうしているけど、またシェアハウスに戻るつもりだから。
私、リューマのした事、まだ許してないからね」
ミユキは険しい顔のままそっぽを向いて
そう告げた。
ミユキの傷は……
相当根深かった……。
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