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「何もしないよ、ただ少し話がしたいんだ」
私は、浮きかけた腰を下ろした。
私の手に指をからませ、空を見上げたまま瞼を閉じた。
「佐藤....」
私の名前を、空へとボールを投げるように彼はつぶやく。
「なに?小栗」
私はそのボールを受け取った。
「あの部屋にいた男たちのさ。
いったい誰が佐藤の彼氏なの?」
次のボールは、残念ながら草むらに転がっていった。
少し草をかき分けて探すので時間がかかりそうだ。
「どれも彼氏じゃないですけど」
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