キスフレ2nd kiss Vol.28

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小栗の質問に私は応えるのを渋った。 キスさえもしてない。 けれどそんなことを言えば 過去の小栗との関係を引きずってるようにも思われそうだ。 今も忘れられなくて、 この空間に心臓がはち切れそうなほど ドキドキしてるということも、彼に知られてしまいそう。 「いるんだな」 「な、ないわよ。キスさえないわよ」 悩んでいる間に確定されそうで、 つい、小栗の言葉に真っ向から否定してしまった。 言った後、やっぱり後悔してしまう。 今もまだ小栗が好きだよ。 そんな言葉を言っても、私たちの恋は再び始まらないのに。 ベッドの上で空を見上げていたはずの彼が私の肩を引っ張った。 身体をスプリングが受け止める。 なにするの?と文句をつけようと彼へと顔を向けると、 悪戯っぽくにやりと赤らんだ顔で笑った。 「キスしよっか?」 唐突な言葉が、私の耳元へと届き、狡い唇を盗み見る。 途端に過去の記憶がよみがえった。
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