キスフレ2nd kiss Vol.28

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抱きしめてもらえば、縋ってしまえばいい。 それをわかってるけれど、出来ないのは、 この人を傷つけることを知ってるから。 私にとっての成宮さんは、 傷つけたくない人に、もうなっている。 「ごめんなさい。 私、成宮さんとは付き合えません。 私の中には、まだ彼がいるから」 「そう、やっぱり小栗くんなんだね」 謝る私を、彼は納得したように頷き、 ただ優しい瞳で見つめ続けていた。 風が窓を揺らす音が止んだ時、彼はぽつりと言葉を洩らした。 「彼が、リヨンから君を迎えにきた夜。 彼と飛行場で話をしたんだ」 「小栗と?」 「彼に、佐藤さんのそばにいて欲しいって言われたよ 君をリヨンへと連れていくことはできない。 リヨンに来れば、きっと君は苦しむだろうからって。 だから、君を守ってほしいと告げられた」
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