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気づくと男たちだけで話は盛り上がっていた。
とはいってもリーダーのマシンガントークが炸裂し、
杉田君が無駄に激しい相槌を打っていただけかもしれない。
成宮さんは何故か、黒縁のメガネをかけ、
社長から離れたところを陣取っていた。
それが間違いだったのか、
リーダーが注ぐ日本酒のせいで徐々に無言になっていった。
このまま私は、この場から退散してもいい気がしたが、
余計なコバンザメ3人を外へと追い出さなくてはならない。
そんななか、お酒を飲まされ続けた成宮さんが、
部屋の角で猫のように丸くなってしまった。
寝息が聞こえる。
青ざめているのは、私以上に代表だろう。
彼の目配せを見て、私は即行でスプリングコートに手を伸ばした。
「はいはいー!
そろそろ杉田君は帰らないとだめですよー」
「えーたのしいーー。
社長ともっと喋りたいよ~」
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